2017年07月12日

電子書籍『ヒトはなぜ眠るのか』

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『ヒトはなぜ眠るのか』
井上昌次郎著/講談社学術文庫/講談社最大50%ポイント還元セール756円(302pt還元、通常期756円、紙の本の価格821円)

 自己啓発書的な快眠本やグッズは世の中に数多く出回っているが、本書は東京医科歯科大学教授で睡眠学の専門家である著者が現在までの睡眠研究の成果を一般向けに解説したもの。そういう意味ではノウハウ本ではないのだが、割と使える情報が多かった。

 ただし専門家が書いただけあって一部あまりに学術的すぎる気もした。たとえば睡眠中の脳の活動状態について脳内物質やホルモンの分泌という面から説明している箇所では、長いカタカナの物質名が延々と列挙されたりしており、正直言って読むのが辛くなる。

 眠りについて書いた本を読むと眠くなるというジンクスがある・・・かどうかは知らないが、本書も若干眠くなった。
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2017年07月03日

電子書籍『ヒトラーとナチ・ドイツ』

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『ヒトラーとナチ・ドイツ』
石田勇治著/講談社現代新書/講談社最大50%ポイント還元セール810円(81pt還元、通常期810円、紙の本の価格994円)

 ヒトラーと言えば独裁者、悪い政治家の代名詞であり、ナチと言えば悪い政治体制の代名詞となっている。その原因はホロコーストつまりユダヤ人等の大量虐殺であるが、そもそもホロコーストはどのように始まったのか、そしてユダヤ人でないドイツ人はどうしてナチを止められなかったかのか。そのあたりの経緯についてきちんと学びたいと思って本書を読んでみた。

 正直、読んでいて恐ろしくなった。ホロコーストも恐ろしいが、ヒトラーが独裁者になるまでの手口も同じくらい恐ろしい。国民の多くが無知蒙昧で教育も受けていないような国ならいざ知らず、20世紀のドイツという先進国でこんなことが起きるとは。知性や良心がいかに無力なものかと悲しくなる。

 しばしばナチは選挙で政権を取ったと言われる。確かに選挙でも勝ってはいるが圧倒的というわけでもなく、実際はかなり暴力や不公正な手段を駆使して政敵を潰して権力を獲得したものだ。正当な選挙で市民の支持を得たとは言い難い。それでも一度流れができてしまえば、抗うことはできなくなるのだろう。

 昔のことであり、彼らが使った手法が現代の日本や先進国で通用するとは思えない。しかし、時代が違うとは言っても100年も経っておらず、何かのきっかけで世相が逆戻りすることはあり得なくもないだろう。特にここ数年は日本でもアメリカでもヨーロッパでもポピュリストが強い支持を集めている政治状況があり、もしやという気がしないでもない。
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2017年07月02日

電子書籍『ウイルスは生きている』

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『ウイルスは生きている』
中屋敷均著/講談社現代新書/講談社最大50%ポイント還元セール648円(65pt還元、通常期648円、紙の本の価格799円)

 ウイルスや遺伝子のふるまいから、生物とは何か、生命とは何かを深く考察する。本書を読んで、ウイルスというものへの認識が大きく変わった。

 従来の一般的な認識ではウイルスは遺伝子を持つけれど生物ではないという扱いだったが、近年の研究や新たなウイルスの発見などから、その定義を見直す動きが出ているという。タイトルから分かるように、著者はウイルスを生物に含めようと考える研究者だが、議論は決着していない。

 ウイルスが生物か否かという議論は、ウイルスに関する議論というより、生物とは何かという定義を検討するものだ。つまり生物の定義として「ウイルスが含まれる定義」と「ウイルスが含まれない定義」のどちらがより妥当かという議論にほかならない。つまりこれは、ウイルスという自然物の分析や研究ではなく、人間側の考え方の問題だ。生命の定義は人間自身のアイデンティティにも繋がることなので、白熱しやすいのだろう。

 それにしても、遺伝子をめぐるウイルスの働きの面白いこと。こんなミクロな世界にこれほど巧妙で複雑で、それでいていきあたりばったりなメカニズムが躍動しているとは、実にワクワクする話だと思う。
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2017年06月27日

電子書籍『人間と機械のあいだ』

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『人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか』
池上高志、石黒浩著/講談社/講談社最大50%ポイント還元セール1296円(518pt還元、通常期1296円、紙の本の価格1404円)

 東京大学の池上教授は人工生命の研究者で、大阪大学の石黒教授はロボットの研究者。池上教授は本書で初めて知ったが、石黒教授は人間そっくりのロボット(アンドロイド)を作っていることで有名だ。彼の作ったアンドロイドを用いた平田オリザの演劇プロジェクト「アンドロイド版 三人姉妹」を観劇したことがある。

 さて本書は彼と人工生命の研究者の活動と対話を通して、生物とは何か、心とは何か、人間が対象を人間あるいは生物と感じる条件は何か、といった問題を考察している。内部構造やルーツから考える生物学的なアプローチではない所が新鮮だが、やや哲学的な議論に入り込んでしまっており、後半はちょっと何を言ってるかわからないと感じた。

 ただ、本書で紹介されているアンドロイドは見てみたい。
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2017年06月25日

電子書籍『ビジョナリー・カンパニー』

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『ビジョナリー・カンパニー』
ジム・コリンズ、ジェリー・ポラス著/山岡洋一訳/日経BP社/日経BPポイント50%還元セール1942円(971pt還元、紙の本の価格2097円)

 立派な会社や経営者を分析して役に立てようとするビジネス書は世の中に溢れており、本書もある意味そういう本のひとつだ。しかし特定の一社や一人だけを研究しているのではなく、全部で18の「ビジョナリー・カンパニー」を選定し、普遍的なポイントを探し出そうとしている。

 「ビジョナリー」を日本語にするなら先見性があるとかビジョンを持っているといった言葉になるだろうが、そう厳密に考えず「立派な会社」くらいの理解で良いだろう。ただし、単純に規模が大きいとか利益を上げているというだけの意味ではない。時流に乗って荒稼ぎするような会社ではなく、長年に渡って確固たる信念を貫いている企業が挙げられている。

 まず対象企業をどうやって選定し、どのような資料を集めて分析したかの説明だけでまるまる一章使って語られているが、忙しい人はとりあえず著者らを信用して、そこは飛ばしてもいいだろう。 1992年までの資料を分析して1995年に出版された本であり、しかもその時点で50年以上の歴史を持つことや経営者の世代交代を経験していることを条件にしているため、AppleやGoogleなどの新興企業は含まれていない。

 基本的には会社経営者に向けて書かれた本ではあるが、薦められているポイントは会社内の小さな部門に対しても適用可能なものばかりだ。自分としても試してみたいと思うことが多数あった。そう簡単に実行できるわけではないが、参考にしてみたいと思う。

 ところで本書を読みながら何度も、自分が今勤めている会社はどうだろうか、自分の上司達はどうしているだろうかと自問を繰り返した。どういう結論になったかここには書かないが、まあ、がんばろう。
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2017年06月20日

電子書籍『人類進化の700万年』

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『人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」』
三井誠著/講談社現代新書/講談社最大50%ポイント還元セール702円(70pt還元、通常期702円、紙の本の価格864円)

 本書を読んで最も良かったと言える点は、ネアンデルタール人とか北京原人とかアウストラロピテクスとか、私が子供の頃(昭和50年代とか1980年代)に覚えた知識はすでに多くが否定されており、更新する必要があることを思い知らされたことだ。

 例えばネアンデルタール人の学名は「ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス」だと覚えていたが、これはネアンデルタール人が現生人類の祖先と考えられていた時代の命名で、彼らが我々とは別の人類で絶滅種とされる現在では「ホモ・ネアンデルターレンシス」が正しい。しかしもちろん、これだって将来変わる可能性があるのだ。

 まさに本書を読んでいる最中にも、700万年以上前の人類と思われる化石がヨーロッパで見つかったというニュースに接した。これまでの調査結果から考えるとさすがにそれは無いんじゃないかと思うが、旧来の定説が覆されるかもしれない。人類学はまだまだ不安定で、これからの学問なのだと感じられる。

 また、本書の最終章で触れられているように、人類に関する研究は私たち自身のルーツに関するものであるが故に、どうしても「こうであってほしい」という願望や思い込みが分析に入り込み、客観性が損なわれがちだ。アフリカに対する偏見がつい20〜30年前まで学術界に残っていたというのも、残念ではあるが意外ではない。まだまだこの分野は変遷していくのだろう。

 ところで人類学者というのは、数本の歯や手足の骨の化石だけでひとつの種の存在を提唱し命名するものなのか。同じ理系でも、実験による検証ができる分野とそうでない分野では常識が全く違うようだ。
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2017年06月10日

電子書籍『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』

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『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』
ジョン・マコーミック著/長尾高弘訳/日経BP社/Kindle版2000円(紙の本の価格2160円)

 アルゴリズムという言葉は広い意味では何らかの仕事を実行するための手順全般を指し、狭い意味ではコンピュータプログラムが何かを実行するための概念を指す。タイトルで前者を期待していたが本書が述べているのは後者だった。あくまでもコンピュータ科学の本である。
第1章 イントロダクション──コンピュータが日常的に使っているすごいアイデアはどんなものか
第2章 検索エンジンのインデクシング──世界最大の藁山から針を探す
第3章 ページランク──グーグルを起ち上げたテクノロジー
第4章 公開鍵暗号法──葉書で機密情報を書き送る
第5章 誤り訂正符号──自分で誤りを訂正するシステム
第6章 パターン認識──経験から学ぶ
第7章 データ圧縮──無から有を生み出す
第8章 データベース──一貫性の追求
第9章 デジタル署名──このソフトウェアを本当に書いたのは誰か
第10章 決定不能性とはなにか
第11章 まとめ──指先の天才はもっと賢くなるか
 初学者向け(あるいは門外漢向け)を想定してか、かなり基本的なことから説明している。プログラムの話だがソースコードのようなものは用いることなく、現実世界に置き換えた例え話を多用する説明手法が取られており、理解はしやすい。

 すでにある程度知っていた話もあるが、パターン認識とデータベースについては知らなかった。本書の紙版は2012年に出版されているが、パターン認識については今後AIの発展で大きく進歩するだろうと思われる。ただし機械学習で得られた判断がはたして「アルゴリズム」と言えるのかは少々疑問だ。
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2017年05月30日

電子書籍『VRビジネスの衝撃』

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『VRビジネスの衝撃 「仮想世界」が巨大マネーを生む』
新清士/NHK出版新書/Kindle日替りセール299円(通常期713円、紙の本の価格799円)

 VRとはヴァーチャル・リアリティの略であり、基本的な概念は割と古くからあるが、現実的になってきたのは最近のことだ。本書に曰く、2016年がVR元年だという。個人的には興味がありながら触れる機会がなかったものの、著者の予想が正しければいずれ体験することになるだろう。
序章 VRビジネスの大潮流──熱狂はなぜ生まれたのか?
第一章 VRの現在──映画とゲームをつなぐものは何か?
第二章 ハイエンドVRの夜明け──オキュラスはなぜ生まれたのか?
第三章 日本のVRビジネス──独自のビジネスモデルは生まれるのか?
第四章 VRからAR・MRの時代へ──これから登場するビジネスとは?
 技術的な解説とビジネスとしての評価が入り混じっているため、どちらかに強く関心を持つ人にとっては掘り下げが足りないと感じるだろう。個人的には、技術的な部分がもっと読んでみたいと思った。ただし開発者達の伝記的な部分はそれなりに面白いので、入門書としてはちょうどいいのかもしれない。

 自分自身が仕事としてVRビジネスに関与する可能性は低いが、恐らくユーザーにはなるだろう。VRが本格的に普及するにはまだ何段階かのブレークスルーが必要だと思うが、関心を持って動向を見ていようと思う。
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2017年05月29日

Kindle Oasis購入

 ながらくPaperwhiteを愛用していましたが、勢いでOasisを購入しました。3Gと広告のないモデルで、37,980円という価格はPaperwhiteの倍以上ですが、それだけの価値はある‥‥かな‥‥?

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 左がOasis、右がPaperwhiteです。Oasisの方が一回り小さく見えますが、画面サイズは同じです。解像度も同じですから、文字サイズや行間を同じに設定すれば表示される文字数も同じになるはずですが、微妙にズレるようです。

 質量はPaperwhiteの217gに対してOasisは131g、電池を含むカバーを装着すると239gでした。つまりPaperwhiteを100とした場合、Oasis単体では60ですが、カバー込みだと110になります。

 ちなににiPhone6は129gなのでOasisと3g(約1.6%)しか変わりません。iPhoneよりサイズが大きい上に重心が持つ所に寄っているため、体感的には非常に軽く感じます。

 カバーに内蔵されたバッテリから本体へ充電される構造ですが、読む時はカバーを外した方がスッキリして良いです。バッテリの限界は試していませんが、本体だけでもそんなにすぐにはなくならないようです。カバー色はウォルナット(茶色)にしました。スウェード調なので乱暴に扱うと傷がつきますが、使い込んだ味が出てくる感じです。

 ただし、布団に仰向けに寝転がって読む時には持ちにくいことがわかりました。重さが手前側にかかる場合、この持ち手の形状では却って支えにくいからです。そこで当面、家で読む時はPaperwhite、外出時はOasisという使い分けをしようと思います。
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2017年05月23日

電子書籍『風俗で働いたら人生変わったwww』

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『風俗で働いたら人生変わったwww』
水嶋かおりん著/コア新書/コアマガジン/Kindle版540円(紙の本の価格850円)

 タイトルは多分、映画化もされたマンガ『風俗行ったら人生変わったwww』のパロディであろう。本書を知ったきっかけは、2015年3月に観劇したアマヤドリ「悪い冗談」のアフタートークゲストとして著者が招かれていたこと。トーク内容の大半は失念したが2020年五輪開催を前に東京の風俗店が排除されることへの危惧(これは芝居のテーマにもなっていた)を語っていた覚えがある。あと、「www」は「ウェイウェイウェイ」と読むらしい。
序章 不幸物語の終焉
第一章 風俗で働いたら人生変わった
第二章 だから風俗嬢は面白い
第三章 風俗嬢とは一体何者なのか
第四章 風俗を巡る誤解と偏見
第五章 誰が風俗嬢を殺すのか
第六章 これから風俗で働く人のために
 女性が風俗で働くことは「金のために行き着く最後の手段」というイメージがある。以前読んだ『最貧困女子』もそういう認識だった。多くのセックスワーカーがそういう背景を持っているのは事実だろう。著者が風俗で働くようになるまでの経緯もやはり不幸な環境によるのだが、しかし著者はこの仕事に対して誇りを持ち、肯定的に捉えている。

 風俗嬢や風俗業界を取り巻く環境は偏見や誤解が多く、差別的な扱いもされる。風俗嬢自身にも色々な問題があることは認めつつ、それを克服し、よりよい業界にしていこうとする姿勢は感心する。特に、風俗嬢として働く人々に様々なアドバイスをする第六章は他に例を見ない指南書ではないだろうか。

 読者として想定されているのは客となる人々と風俗嬢として働く女性達の両方で、特に後者に対して様々な知恵やアドバイスを伝える部分は責任感のある先輩の言葉として温かみを感じる。私自身はどちらにも該当しないのだが、しかし世の中には間違いなくそういう世界があることを真摯に受け止めたい。
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